ロシア、海外送金の上限を撤廃し月100万ドル超へ ルーブル高受け 08-Dec 08:41

ロシア中央銀行は5日、8日からロシア国民と中国やインドなど「友好国」出身の個人による海外送金について上限を撤廃すると発表した。外貨需要を押し上げ、2023年5月以来の高値を付けているルーブルの下落につながる可能性がある。

ルーブルは対ドルで年初から49%上昇。大手輸出企業や国家歳入を圧迫している。

海外送金への上限は、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始を受けた市場の混乱を受け、資本流出を抑えるために導入された。直近では、月100万ドルを超える送金が禁止されている。

アナリストらは、この措置がルーブルを押し下げる方向に作用し得るものの、財政赤字を穴埋めするため政府系ファンドの国民福祉基金(NWF)による外貨売却が拡大している現状では、他の要因を完全に相殺するには至らないと指摘する。

5日の1030GMT時点の店頭市場で、ルーブルは対ドルで1.7%高の74.9ルーブルと、23年5月以来の高値を付けた。モスクワ証券取引所では対人民元で10.62ルーブルと、23年2月以来の高値水準となった。