米商務省は10日、アラブ首長国連邦(UAE)向けの輸出規制を緩和すると発表した。これによりエヌビディア(NVDA.O)製の先端人工知能(AI)半導体やサーバー、軍民両用技術、商業衛星、宇宙関連機器などの一部について、UAE政府や認定企業は個別の輸出許可を取得せずに調達できるようになる。
今回の措置に関して米国側は、両国関係の強化を反映していると説明。UAEは米国にとって中東の重要な同盟国で、イランへの対応を含む地域戦略で役割を拡大しているほか、米企業、特にテック企業にとっても事業機会の拡大につながるとしている。
新たな制度では、UAEのAI企業G42やコア42に加えて、同国内で事業を展開するアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)、アップル(AAPL.O)、xAIなどの米企業とその子会社が、先端AI半導体やサーバーの輸入に際して輸出許可を取得する必要がなくなる。
米商務省は、米国とUAEが長年にわたってイランやイスラム組織ハマス、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ、イエメンの親イラン武装組織フーシ派への対抗で協力してきたと指摘。さらにUAEが米国の安全保障上の利益に貢献してきたと評価した。
同省はまた、UAEは中東地域における米国最大の貿易相手国で、対米直接投資額は1兆ドルを超えると述べた。
今回の規制緩和で、UAEは米商務省の輸出管理上で軍民両用製品などに対する許可例外措置を利用できる国・地域グループに編入される。同グループには北大西洋条約機構(NATO)加盟国や主要同盟国が含まれているが、UAEは多国間輸出管理枠組みに参加していない国としては唯一の対象となる。
イスラエルやサウジアラビアなど中東の他の主要国は同グループには含まれていない。
規制緩和は、石油・ガス生産や民生用原子力発電に関連する一部の輸出やグーグル、メタ(META.O)、マイクロソフト(MSFT.O)、オープンAI、オラクル(ORCL.N)といった企業も対象だ。
さらに米商務省は、UAEの投資会社MGXに対する半導体やサーバーの輸出許可申請について「好意的に審査する」と明らかにした。
米国とUAEは2025年、UAEが数十万個規模のエヌビディア製AI半導体を輸入できるようにする暫定合意に達していた。米商務省によると、今回の措置は25年5月に策定された枠組みを正式化したものだという。
ただこうした規制緩和について、野党民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、中国への技術流出や安全保障上の懸念が残るとして批判している。