米マイクロソフト(MSFT.O)は、仏人工知能(AI)新興企業ミストラルの欧州における計算処理インフラに数十億ドルを投じることで合意した。またマイクロソフトを通じてミストラルの技術の普及拡大を図る。両社が21日に発表した。
合意の一環として、マイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」の利用者は、フランスにあるミストラルのデータセンターを使ってソフトウエアを開発できるようになる。これによりマイクロソフトは欧州での処理能力を強化できるほか、規制の厳しい業界に対して、米国が管理するインフラに依存しない代替の選択肢を提供できる。
一方、ミストラルは自社のAIモデル「ミディアム3.5」と「OCR4」を、マイクロソフトのアプリケーション開発ツール「ファウンドリー」に組み込んだ。また、マイクロソフトの「コパイロット・スタジオ」でもミディアム3.5の提供を開始した。
さらに、独自のデータセンターを持ち「アジュール・ローカル」を経由してマイクロソフトのサービスを利用する企業は、ミストラルの「オープン」モデルを実行できるようになる。これにより、顧客はライセンスを取得して独自のAIを開発できる。
今回の合意は米国の技術への依存を減らそうとする欧州などの関心の高まりを浮き彫りにしている。米国が6月、アンソロピックの先進モデル2種に対する海外からのアクセスを一時停止たことで、欧州では技術的自立の必要性がより差し迫った課題となっている。マイクロソフトにとっては、オープンモデルの需要拡大に対応する一助となる。
マイクロソフトのブラッド・スミス社長とミストラルのアルチュール・メンシュ最高経営責任者(CEO)はロイターの共同インタビューで、今回の提携は米国のソフトやセキュリティー機能へのアクセスを可能にしつつ、こうした自立性を確保することを目指すものだと述べた。
マイクロソフトはミストラルへの出資企業だが、スミス氏は今回の合意には新たな資本出資は含まれていないと明らかにした。