エヌビディアの中国向け新型AIチップの需要低調、性能面で割高 大手が発注見送り 16-Sep 16:41

エヌビディア(NVDA.O)の中国市場向けの最新人工知能(AI)チップ「RTX6000D」が、一部大手ハイテク企業が発注を見送るなど需要が鈍いことが調達に詳しい関係者2人の話で分かった。性能の割には高価とみられているという。

RTX6000Dは主にAIの推論タスク用に設計されている。関係者によると、サンプル試験をしたところ、「RTX5090」よりパフォーマンスが悪かった。RTX5090は米政府が中国での使用を禁じているが、グレーマーケットで約5万元(7000ドル)とRTX6000Dの半額以下で入手できる。

今月に入り、アリババ(9988.HK)、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)、字節跳動(バイトダンス)などの中国ハイテク大手が、エヌビディアの「H20」チップの発注が履行されるか明確になるのを待っていると別の関係者が指摘した。H20は、4月に米規制の対象になったが7月に出荷が認められた。一方、中国がセキュリティー上の懸念を指摘している。

中国ハイテク大手は、H20よりはるかに高性能な「B20A」に米の承認が下りるのを期待している。

RTX6000Dに対する需要低調は一部アナリストの予想に反する。JPモルガンは先月のレポートで、今年下半期の生産が約150万個と予想した。モルガン・スタンレーは7月、販売予定が200万個と予測した。

関係者によると、エヌビディアは今週RTX6000Dの出荷を開始した。

エヌビディアの広報担当者は「市場は競争が激しく、我々は最高の製品を提供している」と述べた。

アリババは、ロイターの問い合わせには回答しなかった。テンセントとバイトダンスはコメントの要請に応じなかった。