グーグル、核融合ベンチャーから電力購入へ 実用化30年代前半か 01-Jul 13:08

米アルファベット(GOOGL.O)傘下グーグルは30日、バージニア州の核融合発電プロジェクトから電力を購入する契約を締結したと発表した。

2018年にマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフしたコモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)がバージニア州で進めるARCプロジェクトから200メガワット(MW)の電力を購入する。CFSは30年代前半の発電開始を目指している。

核融合発電の商業化は世界でまだ実現していない。安定した核融合反応が必要なほか、反応を起こすために投入するエネルギー以上の電力回収が今のところ難しい。

グーグルの先端エネルギー部門責任者マイケル・テレル氏は「商業的に実現可能なものにするには、解決しなければならない深刻な物理学的・工学的課題がまだある」としつつ、「未来を実現するために今、投資を行いたい」と述べた。

人工知能(AI)やデータセンターによって世界中で電力需要が増加する中、核融合への関心は高まっている。核融合は核分裂と異なり、大量の放射性廃棄物を生まない。また、気候変動対策にも役立つ可能性がある。

グーグルはCFSへの出資拡大も発表したが、金額などは明らかにしていない。グーグルは21年に他の投資家と合わせて18億ドルをCFSに出資した。