サムスン電子傘下ハーマン、独ZFの運転支援システム事業買収へ 23-Dec 18:26

韓国のサムスン電子(005930.KS)は23日、子会社ハーマンを通じてドイツの自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンの先進運転支援システム(ADAS)事業を15億ユーロ(17億7000万ドル)で買収すると発表した。

買収は2026年中の完了を見込む。ハーマンは車両前方カメラやADASコントローラーなど、ADAS関連の技術と製品を取得する。これにより急成長する運転支援市場に本格参入する。

今回の買収は、サムスンの車載エレクトロニクス分野への関与を強める姿勢を示すものだ。スマートフォンやメモリーチップ以外の事業を拡大し、収益源の多角化を進める狙いが鮮明になった。

サムスンによると、ADASおよび中央車両制御装置の市場規模は、25年の62兆6000億ウォン(421億8000万ドル)から、30年には97兆4000億ウォンへ拡大すると見込まれている。

ドイツの自動車業界は電気自動車(EV)需要の低迷と世界的な貿易摩擦の影響で苦戦しており、ZFグループは昨年、国内で最大1万4000人の人員削減計画を発表した。同社は過去の買収に伴う多額の負債も抱えている。