米連邦地裁、オープンAIにチャット履歴提供要請 NYTなどとの著作権訴訟  04-Dec 08:26

米オープンAIと米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)(NYT.N)などとの著作権侵害を巡る訴訟で、米ニューヨークの連邦地裁は、対話型AI(人工知能)「チャットGPT」利用者による匿名のチャット履歴2000万件を提供するようオープンAIに命じた。

3日公表された決定では、この2000万件の履歴がNYTなど報道機関の主張に関わるものであり、履歴の提供によって利用者のプライバシーを侵害するリスクはないと結論づけた。

訴訟は2023年にNYTが提起。自社の著作物が許可なくAIの開発に使われたとして、複数の企業がオープンAIやマイクロソフト、メタ(旧フェイスブック)などを相手取って起こした訴訟の一つだ。

報道機関側は、チャットGPTが自社の著作物を複製したかどうかを判断するためにチャット履歴が必要だと主張。オープンAIは、履歴の提供によって利用者情報を開示することになると反論していた。

地裁は先にオープンAIに対して出した履歴提供命令で、利用者のプライバシーは「徹底的な匿名化」やその他の保護措置によって守られると指摘。3日公表の決定でも、保護措置によって「プライバシー上の懸念が合理的に緩和される」と改めて判断した。