米半導体設計大手シノプシス(SNPS.O)が、世界の半導体メーカーが使用する製造工程管理ソフトウエア群の提供を停止する計画であることが関係者6人の話で分かった。人工知能(AI)設計など、より利益率の高い分野に経営資源を振り向ける狙いがある。
関係者2人によると、シノプシスは4月と5月にサムスン電子(005930.KS)やSKハイニックス(000660.KS)、キオクシアホールディングス(285A.T)、コルボ(QRVO.O)を含む10社以上の半導体メーカーに対し、サポート終了の方針を通知した。今後は新バージョンを提供せず、保守義務のみを履行するという。
対象となる製品には、装置エンジニアリングシステム(EES)や、故障検知・分類(FDC)が含まれる。これらは半導体工場の「中枢神経」として機能する自動化ソフト群で、多額の費用がかかる欠陥に発展する前に異常を監視・検出する役割を担う。
関係者3人によると、同社は既に数十人規模の人員を削減した。うち1人はシノプシスが各半導体メーカーとの保守義務に関する協議を7月までにまとめる計画だと述べた。
シノプシスの広報担当者は「特定の製造分析製品を終了する。これらは旧型の診断ツールであり、顧客の生産における重要工程には含まれていない」と説明した。「この分野の製品群で新たな機能への投資を続けており、今回の措置に当たり既存の契約上・サポート上のすべての義務を履行する」と述べた。
関係者の1人は、シノプシスがIPサービスに関連するサポート・保守義務から解放され、技術者を利益率の高いAI設計に再配置することを望んでいたと述べた。
別の関係者2人は、このソフトは常に保守、更新、修正プログラムの適用を行う必要があるため、提供終了によって半導体メーカーの生産歩留まりがある程度低下する恐れがあると指摘した。一方、他の関係者4人は、大手半導体メーカーの生産への影響は想定していないと述べた。