<為替> 米労働省発表の週間新規失業保険申請件数が予想外に減少したことで、ドルが主要通貨に対して上向いた。
年間ベースでは、ドルは米連邦準備理事会(FRB)の利下げのほか、米国の財政懸念やトランプ政権の通商政策などに翻弄され、9%を超えて下落。下落率は2017年以来最大となった。対照的に、ユーロは年初から13%を超えて上昇している。
今年ドルの重しになった要因は来年も続くとみられ、ドルの軟調基調が続けば、今年大きく上昇したユーロや英ポンドなどの他の主要通貨にも影響が及ぶ可能性がある。
こうした中、円 は年初からほぼ横ばいで推移。日銀が1月と今月の2回にわたり利上げを実施したにもかかわらず円相場は大きく反応せず、今年のドル安局面の恩恵を受けられなかった数少ない通貨となった。
米労働省がこの日に発表した12月27日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万6000件減の19万9000件。エコノミスト予想(22万件)に反し減少し、1カ月ぶりの低水準となった。
アネックス・ウェルス・マネジメント(ウィスコンシン州)のチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「新規失業保険申請件数は変動が激しく、特に年末年始はノイズも多いが、それでも労働市場の健全性を推し量る上で最良の指標であることに変わりはない」とし、「米国の労働市場が12月に改善に転じた可能性が年明けに判明すれば、FRBは当初の想定より長く現行の金利水準を維持できる」と述べた。
今年は、積極的な利下げを強く求めるトランプ政権による圧力でFRBの独立性が揺らいでいるとの懸念もドルの重しになった。トランプ大統領は、十分に利下げを行っていないとしてパウエルFRB議長をたびたび非難。来年5月に任期が切れるパウエル氏の後任を1月中に発表するとしているが、来年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つメンバーの一部は利下げ継続に懐疑的な見方を表明。市場では現在、FRBは来年は合計0.50%ポイントの利下げを実施するとの見方が織り込まれている。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。朝方発表された週間新規失業保険申請件数は予想外に減少。市場では連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方を見極めようと、経済指標が注目される状況が続いている。
労働省が発表した12月27日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万6000件減の19万9000件。エコノミスト予想(22万件)に反し減少し、1カ月ぶりの低水準となった。
市場関係者は、1月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されるか、手がかりを得ようと経済指標が引き続き注目されていると指摘。1月9日に発表される12月の雇用統計のほか、1月13日に発表される消費者物価指数(CPI)などが注目されている。
LPLフィナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「忍耐強さが必要だが、インフレ率は最終的にはFRBが目標とする水準に近づいていく」とし、「労働市場の弱さが鮮明になりつつあることを踏まえると、来年は数回の利下げが実施されると予想している」と述べた。
市場が見込む1月の会合で追加利下げが決定される確率は現在14.9%。
25年最後の取引となったこの日は午後2時までの短縮取引。終盤の取引で10年債利回りは1.9ベーシスポイント(bp)上昇の4.147%。2024年末(4.573%)より42.6bp低い水準となる。10年債利回りが年間ベースで低下するのは20年以来初めて。
2年債利回り は1.7bp上昇の3.471%。24年末(4.24%)から76.9bp低下し、年間ベースの低下幅は20年以来最大となった。
米金融・債券市場:
<株式> 続落して2025年の取引を終えた。ただ年間では、人工知能(AI)関連銘柄への旺盛な需要を追い風に主要株価3指数はそろって2桁の上昇率を記録し、19─21年以来、3年連続での上昇となった。
年間では、ダウ工業株30種(.DJI)は12.97%、S&P総合500種(.SPX)は16.39%、ナスダック総合(.IXIC)は20.36%上昇した。小型株で構成するラッセル200指数も11.26%高。
月間ベースでは、ダウが8カ月連続で上昇。17─18年以来最長となる。
31日の取引では、エネルギー(.SPNY)と情報技術(.SPLRCT)の下げが目立った。情報技術でウェートの大きいマイクロソフト(MSFT.O)は0.8%安。
リフレクシビティのジュゼッペ・セッテ共同創業者兼社長は、流動性が低い時期は利益確定の動きが出やすいとし、ここ数日の下落が「来年のパフォーマンスにそれほど大きな影響を与えるとは考えていない」と述べた。
AIブームの恩恵を受けた半導体大手エヌビディア(NVDA.O)は年初来39%値上がりした。
アルファベット(GOOGL.O)が今年65%急伸したことを追い風に、通信サービス(.SPLRCL)はS&P500主要セクター中、最も好調なセクターとなった。
マイクロン・テクノロジー(MU.O)、ウエスタン・デジタル(WDC.O)、シーゲイト(STX.O)などのストレージ用半導体銘柄も25年に時価総額が3倍以上に拡大した。
米国株式市場:
<金先物> マージン(証拠金)再引き上げの発表が重しとなり、反落した。中心限月2月物 の清算値(終値に相当)は、前日比45.20ドル(1.03%)安の1オンス=434 1.10ドル。
CMEグループは30日、貴金属相場の高騰を受け、マージン要件を31日の取引終了 後に引き上げると発表した。29日に続き今週2度目の実施で、手じまい売りが広がり、 終日マイナス圏で推移した。相場は29日にも4.59%安と大きく値を崩していた。
今年の金相場は、国際情勢の不安定さを背景に安全資産としての需要が増大。各国中央 銀行や投資家からの買い意欲が旺盛だったほか、米連続利下げに伴う割安感も追い風とな り、64.37%高と急騰した。報道によると、年間上昇率は1979年以来46年ぶりの大きさで、清算値ベースの最高値更新は54回に上った。
NY貴金属:
<米原油先物> 石油製品在庫の増加を受けた売りに続落した。米国産標準油種WTIの中心限月 2月物は前日清算値(終値に相当)比0.53ドル(0.91%)安の1バレル=57. 42ドルだった。3月物は0.52ドル安の57.22ドル。需給緩和懸念が強まる中、 年間では19.93%の大幅安となった。
米エネルギー情報局(EIA)が31日発表した26日までの週間在庫統計では、原油 在庫が前週比190万バレル減と、市場予想の90万バレル減を上 回る取り崩し幅だった。一方で、ガソリン在庫が前週比580万バレル増、ディスティレート(留出油)が500万バレル増と、 ともに予想を上回る大幅な積み増しとなり、需給の緩みを警戒した売りが出た。
また、米労働省が朝方発表した新規失業保険申請は27日までの1週間で19万900 0件と、市場予想の22万件を下回った。これを受け、米連邦準備 制度理事会(FRB)が利下げに動きにくくなるとの観測から、米長期金利が上昇すると ともに外国為替市場では対ユーロでドル買いが優勢。ドル建てで取引される商品の割高感 が生じ、原油の売りにつながった。
ロシアのウクライナ侵攻終結に向けた協議が長引く中、米国とベネズエラの緊張やイエ メンの内戦などの地政学的リスクの高まりは引き続き下値を支えた。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値,156.65/156.68 始値,156.6 高値,156.99 安値,156.56 ユーロ/ドル NY終値,1.1745/1.1746 始値,1.1746 高値,1.1759 安値,1.1721 米東部時間 30年債(指標銘柄),14時30分,96*19.50,4.8405% 前営業日終値,97*01.00,4.8130% 10年債(指標銘柄),14時30分,98*22.00,4.1631% 前営業日終値,98*31.00,4.1280% 5年債(指標銘柄),14時30分,99*18.00,3.7218% 前営業日終値,99*23.75,3.6820% 2年債(指標銘柄),14時30分,99*25.88,3.4751% 前営業日終値,99*27.13,3.4540% 終値,前日比,% ダウ工業株30種,48063.29,-303.77,-0.63,(.DJI) 前営業日終値,48367.06 ナスダック総合,23241.99,-177.09,-0.76,(.IXIC) 前営業日終値,23419.08 S&P総合500種,6845.50,-50.74,-0.74,(.SPX) 前営業日終値,6896.24 COMEX金 2月限,4341.1,‐45.2 前営業日終値,4386.3 COMEX銀 3月限,7060.3,‐731.6 前営業日終値,7791.9 北海ブレント 3月限,60.85,‐0.48 前営業日終値,61.33 米WTI先物 2月限,57.42,‐0.53 前営業日終値,57.95 CRB商品指数,298.7761,‐3.0401,(.TRCCRB) 前営業日終値,301.8162