スイス中銀が異例の口先介入、中東情勢受けたフラン高で 02-Mar 19:12

スイス国立銀行(中央銀行)は2日、米イスラエルによるイラン攻撃による中東情勢緊迫でスイスフランが対ユーロで10年超ぶり高値に上昇したことを受け、為替介入姿勢を強めると表明した。フラン高はスイス輸出企業に打撃を与え、デフレを招く恐れがあり、異例の口先介入に打って出た。

スイス中銀は声明で「国際情勢を踏まえ、外国為替市場に介入する意向を強めた」とし「スイスフランの急激かつ過度な上昇がスイスの物価安定を脅かす場合、市場介入する用意がある」とした。すでに為替介入したかについてはコメント控えた。

このような声明を発表したのは、英国の欧州連合(EU)離脱を問う投票でフランが急伸した2016年以来。その前年の15年1月、スイス中銀がフランの対ユーロ相場の上限を撤廃し、フランが急騰する「フランショック」が起きた。

ING銀行のシニアエコノミスト、シャルロット・ド・モンペリエ氏は「スイス中銀は、自らの意図とその真剣さを明確に表明することで、フラン相場に影響を与えたいと考えているのだろう」と述べた。また、状況の深刻さから、主要貿易相手国の為替政策を監視している米国も介入に寛容さを見せると中銀が考えているかもしれないと指摘した。

アナリストらは、中銀はフラン抑制介入はしても、マイナス金利政策を再び取ることはないとみている。

UBSのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は、足元で見られるような急激なフラン買いは急速に逆回転する可能性があるため、スイス中銀の介入は上昇を抑制するもので、特定の水準を防衛する形にはならないとの見方を示した。

また、足元のフラン高は地政学的要因によるリスク回避の動きによるもので、いつまで続くか不透明だとし、政策金利をマイナスにするなどの緊急措置を取るのは合理的でないと指摘。「世界経済の減速や他の中央銀行の利下げといった長期的な問題が生じた場合にのみ、そうした措置は適切となる」と述べた。