南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)の金融政策委員会(MPC)は20日、政策金利のレポ金利(ZAREPO=ECI)を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、6.75%にすると全会一致で決定した。2026年までのインフレ予測を小幅に下方修正し、クガニャゴ総裁は記者会見で「インフレ見通しの改善を踏まえ、政策スタンスの緩和余地があるとの見方で一致した」と述べた。
南アは今月、3%プラスマイナス1%ポイントという新たなインフレ目標を発表。ロイターがまとめたエコノミスト調査では、新たな目標を踏まえてSARBが慎重姿勢を取るとの見方があった一方、インフレ率(ZACPIY=ECI)が目標値をわずかに上回る程度で推移しており、利下げ余地があるとの観測もあった。利下げを決めたことで、新目標による利下げ抑制への懸念は和らぎそうだ。
9月会合以降、違法な資金の流れに対する「グレーリスト(監視強化対象国・地域)」から南アが除外されたほか、S&Pグローバルの格付けが引き上げられた。政府の借入コストは低下し、通貨ランドは対ドルで23年以来の水準まで上昇した。
クガニャゴ氏は「中期的に3%のインフレ率目標達成に向け順調に進んでいる」と強調した。金融政策の効果が顕在化するのは1─2年後であるため、その時期に目標を達成するとの見通しを示した。