為替取引ソフトウエアを手がけるミルテックが実施した調査によると、北米と欧州の中堅企業の88%が為替リスクを現在ヘッジしており、比率は1年前の81%から上昇した。相場変動と地政学的不透明感によって金融リスクが高まっていることが背景。
ヘッジ期間の延長を計画している企業は全体の62%、ヘッジ期間を短縮する方針を示したのは11%にとどまった。一方、現時点でヘッジを行っていない企業のうち約3分の2は現在の市場環境を踏まえてヘッジを検討しているとした。調査は北米、欧州、英国で時価総額が5000万ドルから10億ドルまでの企業の財務責任者約750人を対象に実施した。
市場のボラティリティーは過去1年間にわたって上昇してきた。トランプ米大統領が掲げる「米国第一」主義の下で米国の通商政策と外交政策が急速に変化したことが相場の変動を誘発した。こうした動きによって米ドルの伝統的な安全資産としての位置付けに疑念が生じ、ドルの実効レートは2025年1月のトランプ氏の2期目就任以降で約11%下落した。
ミルテックの報告書によると、回答者の62%が為替市場の変動によって悪影響を受けており、25%が「極めて悪い影響」を被っているとした。北米を拠点とする企業では、この比率が35%に上昇し、地域別では最も高かった。
ミルテックのエリック・ハットマン最高経営責任者(CEO)は「企業は市場の不確実性による影響と上昇するヘッジコストを天秤にかけながら、どの程度の為替リスクを受け入れるかを再検証している。多くは不確実性を抑えるためヘッジ期間を延長することで対応している一方、バランスの取れたヘッジ比率で柔軟性を維持している」と述べた。