来週の外為市場では、イラン情勢を見極めつつ、ドル高地合いが続く見通しだ。2月末から始まった攻撃も約2週間が経過し、次第に市場の焦点が今後の影響に移る中、主要中銀の金融政策、特に物価上昇に対するスタンスの違いで為替相場が上下しそうだという。仮にイラン情勢が緩和しても、原油相場の落ち着きどころ次第ではドル買いの巻き戻しは限られる可能性もある。
予想レンジはドルが157─161円、ユーロが1.14─1.17ドル。
日米中銀の金融政策決定会合だけでなく、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀、豪中銀など金融政策決定が集中する予定。三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリストは、イラン情勢に伴うインフレリスクは全世界で共通しているとして、物価上昇に対する「金融政策のスタンスの差はそのまま為替相場の値動きに反映される」と話す。
市場では日銀による4月の利上げが6割程度まで織り込まれており、三菱UFJ銀の井野氏は3月会合は「4月の利上げ期待をそぐ形にはならないのではないか」として、特に円だけが売られる展開にもならないと予想する。
日銀の植田和男総裁は12日の衆院予算委員会で、過去に比べると為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があるとして、そうした動きが人々の予想インフレ率の変化を通じて基調的な物価に影響する可能性があることに留意が必要だと述べていた。
ドル高の裏で円とともにユーロ売りも進むが、欧州では「インフレ警戒トーンから次の一手は利上げとなっても、ユーロの買い戻しにつながるかは不透明」(別の国内銀のストラテジスト)との見方も聞かれる。
ドルが160円超えも視野に入る中、有事のドル買いが主導する今回の局面で為替介入の効果を疑問視する声は少なくない。円安だけを抑制する介入の「大義名分はない」(外銀の為替ディーラー)との見方だ。
ただし、介入への警戒感がドル/円の上値を抑えている面はありそうで、特に前回、米国によるレートチェック実施の引き金となったとみられている債券市場に対する円安の影響を注視する声も複数聞かれる。
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