シリア中央銀行のアブドルカデル・フスリエ総裁は4日、ニューヨークで開催されたロイター・ネクスト会議でビデオリンクを通じて発言し、2025年のシリア経済が世界銀行予測の1%成長を大きく上回るペースで拡大していると述べた。14年におよんだ内戦の終結後に難民の帰還が進み、通貨の再発行や中東の新たな金融ハブの構築計画が加速しているためだとした。
フスリエ氏は国際通貨基金(IMF)と協力し、経済データの精度を向上させる方策に取り組んでいると述べた。
フスリエ氏はアサド旧政権の崩壊に伴う米国の対シリア制裁の停止を「奇跡」と表現した。制裁が25年末までに完全に撤廃されると見込んでおり、「実現すればシリアと取引する銀行に安心感を与える」と語った。
米財務省は11月10日、制裁停止を180日間延長したが、完全撤廃は米議会の承認が必要となる。