ニューヨーク外為市場では、中東情勢の緊迫化を背景に「有事のドル買い」が続く中、ドルが主要通貨に対して上昇し、対円で2024年7月以来初めて160円台に乗せた。米利上げ観測の高まりもドル高につながっており、政府・日銀による円買い為替介入への警戒感が高まっている。
終盤の取引でドル/円 は0.34%安の160.35円。市場関係者によると、日銀が公表した実質金利である自然利子率の新たな試算を受けて日本国債利回りが上昇したことも影響した。エネルギー輸入への依存度が高い日本は他の主要国よりも原油高の影響を受けやすく、米国とイスラエルがイランに対する軍事作戦を2月28日に開始して以降、円は2.74%下落している。
ステート・ストリート(ボストン)のシニア・グローバル・マーケット・ストラテジスト、マービン・ロウ氏は、週末を控え警戒感が出ていると指摘。ドル相場はこのところリスクの度合いに相関して動いているとし、円に対して上昇する一因にもなっているとの見方を示した。
この日発表の米経済指標では、米ミシガン大学の3月の消費者信頼感指数確報値が53.3と、速報値の55.5から低下し、3カ月ぶりの低水準。2月確報値の56.6から低下したほか、エコノミスト予想の54.0も下回り、中東情勢をにらみ景気見通しに対する懸念が高まっていることが示された。
こうした中、フィラデルフィア地区連銀のポールソン総裁はこの日の講演で、イラン戦争で米経済に困難がもたらされていると指摘。ただ、それが短期的な金融政策の変更に及ぼす影響については明言を避けた。
ステート・ストリート(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「1カ月前までは連邦準備理事会(FRB)の年内の利下げ回数は1回になると予想されていたが、現在は完全に覆されており、逆に利上げが予想されている」と指摘。FRBだけでなく、イングランド銀行(英中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)なども利上げに動くとの見方が出ており、国債利回りの上昇などにつながっている。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数0.3%高の100.17。月初からは2.57%上昇した。
ユーロ/ドルは0.17%安の1.1509ドル。
英ポンド/ドルは0.48%安の1.3268ドル。4営業日連続で下落した。
ドル/円 NY午後4時,160.14/160.15 始値,159.91 高値,160.41 安値,159.71 ユーロ/ドル NY午後4時,1.1516/1.1518 始値,1.1511 高値,1.1547 安値,1.1503