欧州中央銀行(ECB)は昨年第1・四半期、ポートフォリオのリバランスの一環としてドル建て資産の一部を売却、外貨準備のドル比重を引き下げた。
この動きは、昨年 4 月にトランプ米大統領が関税を課す方針を発表して市場が混乱する前に売却した。26日発表した財務報告によると、昨年第1・四半期のこの取引により 9億0900 万ユーロ(10億7000 万ドル)の利益がでて、その全て円建て資産に投資した。
ECBは「2025年第1・四半期に保有する米ドル資産のごく一部を売却し、その収益を全額日本円に再投資した。これは外貨準備の構成を目標配分に合わせるための標準的なリバランスの一環」と説明した。
取引規模は明らかにされていない。ECBのデータによると、ドル建ての保有高は昨年、519億ドルから509億ドルに減少した一方、円建ての保有高は1兆5000億円から2兆1000億円に増加した。
ユーロ建てでみるとECB外貨資産に占めるドルの比重は83%から78%に低下した。ただこの一部はドル安の影響によるものとみられる。
データでは準備金のうち現金の割合も増加した。ユーロ圏の国際準備資産の大部分はECBではなく各国中銀が保有している。
通年で再び財務損失を計上したが、今年か来年には黒字化を予想している。
ECBはすでに終了した量的緩和策の影響で長年にわたって損失を計上し続けている。買い入れた債券の多くは今もECBのバランスシートに残っており、金利が急上昇したことで現在も多額の利払いを余儀なくされている。超過流動性が依然として約2兆4000億ユーロに上っているためだ。
25年は13億ユーロの損失を計上、前年の損失79億ユーロから減少した。引当金を計上していない状態で約105億ユーロ相当の損失を繰り越している。
このため今年黒字を回復したとしても、損失を相殺して引当金を積み上げるには数年かかり、配当再開はその後になる可能性を示している。
量的緩和で買い入れた債券のうちECBが保有するのはごく一部で、大半は域内各国の中銀が保有している。このうちドイツ連邦銀行が最大の財務的打撃を受けており、オランダとベルギーの中銀も長年にわたり損失を計上している。