EU、域内貿易でトランプ関税に対応可能=ラガルドECB総裁 21-Nov 17:25

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は21日、欧州連合(EU)は域内の障壁をいくつか取り払えば米貿易関税の影響を相殺できると述べた。

EUの輸出志向の経済モデルは、米関税や中国のレアアース(希土類)問題など、世界レベルでの保護主義的な動きによって覆されていると指摘。ただ、EU加盟国間の貿易をより容易にすれば域内の富を拡大できると主張し、その好例として域内で最も開放的な経済体の一つであるオランダを挙げた。

フランクフルトで開かれた会議で「われわれの分析によれば、全てのEU加盟国がオランダと同じレベルまで障壁を引き下げるだけで、域内障壁はモノで約8%ポイント、サービスで約9%ポイント低下する」と説明。「その4分の1を実現するだけでも、米関税が成長に与える影響を完全に相殺するのに十分なほど、域内貿易を促進することができる」と語った。

ラガルド氏は、付加価値税の調和からEU全体の会社法の制定まで、幅広い経済改革を挙げた。

また、ドイツを中心とする財政支出が経済を下支えしていると評価。2024年から25年にかけて金利を大幅に引き下げたECBもその役割を果たすとし、「インフレ率が目標にとどまるよう、必要に応じて政策を調整し続ける」と述べた。