中国の元外為規制当局者は11日、人民元の対ドル相場上昇はファンダメンタルズ(基礎的条件)による裏付けを欠いているため、必ずしも通貨や中国資産の再評価を示すものではないとの見解を示した。
中銀国際のグローバル・チーフ・エコノミストで元国家外貨管理局(SAFE)高官のGuan Tao氏は、元相場の上昇を受けて元が構造的に過小評価されているとの観測が出ていると指摘。
「しかし、そうした指摘はデータ、事実、理論の裏付けを欠いているようだ」と対話アプリ「微信(ウィーチャット)」に投稿した。
その上で、外貨から元への換金意欲が高まったというよりも、ドル買い需要が減退したことが主に元高の背景にあるとした。
一部の市場関係者は、元の実質実効為替レート(REER)の下落と中国の堅調な貿易黒字を大幅な過小評価の証拠として挙げている。
Guan氏はそうした結論に注意を促し、「REERの下落は必ずしも元が過小評価されている、あるいは今後上昇することを意味しない」と述べた。
また「中国の物価水準の低さ、名目経済成長率が実質成長率を下回っていること、生産ギャップがマイナスとなっていることは全て、元相場が過大評価されており、下落が必要であることを示している」と指摘した。
元高が資本流入を促すという仮定についても「単純化しすぎだ」と疑問を呈し、「元高は既存の外国投資のリターンを高めるかもしれないが、同時に新規流入のコストを増加させる。最終的に元高が差し引きで外資を引き寄せるかどうかは、これらの相反する力のバランス次第だ」と述べた。