NY市場サマリー(19日)円急落、利回り上昇 株続伸 20-Dec 06:25

<為替> 円がドルなどの主要通貨に対し大きく下落した。日銀が利上げを決定したものの、今後の追加利上げに関する方針を明確に示さなかったことを受けた。

終盤の取引でドル/円は1.23%高の157.535円。一時157.67円まで上昇し、4週間ぶりの高値を更新した。

ユーロ/円は184.71円と、過去最高値を更新。スイスフラン/円も197.23円と過去最高値を更新した。英ポンド/円は一時1.36%高の210.96円と、2008年以来の高値を付けた。

日銀は18─19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%に引き上げると全員一致で決定。ただ、今後の利上げの具体的な時期やペースについて明言を避けたことが円の下落につながった。

政府・日銀による円買い・ドル売り介入の実施が引き続き意識される中、片山さつき財務相は19日、足元の為替円安に関し「一方向で急激な動きがこの半日、この数時間明らかにあるので憂慮している」とし、行き過ぎた動きには適切に対応する考えも強調した。

ユーロ/ドルは1.1720ドルと、横ばい。 欧州中央銀行(ECB)は18日に開いた理事会で金利据え置きを決定。据え置きは4会合連続で、予想通りだった。ラガルド総裁は先行きの指針は示さず、「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べるにとどめた。

英ポンド/ドルは一時上下に振れた後、1.3388ドルに戻した。イングランド銀行(英中央銀行)は18日に開いた金融政策委員会で0.25%ポイントの利下げを決定。決定は5対4の僅差で、すでに緩やかなペースとなっている利下げが今後さらに減速する可能性が示唆された。

NY外為市場:

<債券>

国債利回りが世界の債券利回りと連動して上昇した。投資家らは米経済指標の発表や連邦準備制度理事会(FRB)の政策の方向性を引き続き見極めたいとしている。

日銀は18、19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%に引き上げることを全員一致で決めた。政策金利は1995年9月以来、30年ぶりの高水準となった。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントの米金利責任者マイケル・ロリツィオ氏は「日本の利上げとそれに伴う一部の発言が、世界の先進国国債市場の売りをいくらか引き起こした可能性がある」と述べた。

しかし、トレーダーらの大半の関心は、米国の労働市場が弱まる中で、FRBが来年、いつ何回利下げを行うかということにある。

フェデラルファンド金利先物トレーダーは、FRBが1月27─28日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを行う可能性はわずか22%と見込んでいる一方、3月に利下げが行われる可能性は60%と見ている。

2年債利回りは2.6ベーシスポイント(bp)上昇し3.486%となった。

10年債利回りは3.5bp上昇の4.151%。

2年債と10年債の利回り格差は約0.5拡大し66.4bpだった。

米金融・債券市場:

<株式> 米国株式市場は続伸して取引を終えた。ハイテク株が上昇し、ナイキなどの消費関連銘柄の下落を相殺した。

大型ハイテク株は前日からの上昇を継続。半導体大手マイクロン・テクノロジー(MU.O)が強気の業績見通しを示したことで、割高なバリュエーションや資金調達懸念で最近売られていた人工知能(AI)関連株への楽観ムードが再燃した。

マイクロン株は過去最高値を更新し、7.0%高となった。

エヌビディア(NVDA.O)も3.9%上昇。トランプ米政権が、エヌビディアの2番目に先進的なAI向け半導体の中国への初出荷につながる可能性のある調査を開始したとの報道が材料視された。

オラクル(ORCL.N)は6.6%急伸。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が米政府による禁止措置を回避するため、オラクルを含むことが材料となった。

12月は株式市場が伝統的に強い時期でもある。Stock Trader’s Almanacによれば、1950年以降、S&P500は年末最後の5営業日と1月最初の2営業日を合わせた「サンタクロース・ラリー」で平均1.3%上昇している。

一方、消費関連では、ナイキ(NKE.N)が10.5%下落。2四半期連続で粗利益率が低下したとの発表が嫌気された。

冷凍フライドポテトのサプライヤーであるラム・ウェストン(LW.N)は通期の需要見通しが弱いと示唆し、26.0%急落。

肉スナックの「スリムジム」で知られる食品メーカー、コナグラ(CAG.N)も弱い決算を受けて2.5%下落した。

アナリストは、株式オプションと株価指数先物、株価指数オプションが同時に決済期日を迎える「トリプル・ウィッチング」によるボラティリティー上昇を警告した。

SpotGammaの創設者ブレント・コチュバ氏は、オプションの期限切れによりクリスマス休暇明けの相場が価格変動の影響を受けやすくなる可能性があると指摘した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄が値下がり銘柄を1.44対1の比率で上回った。ナスダックでも値上がり銘柄が値下がり銘柄を1.47対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は246億0000万株。直近20営業日の平均は171億9000万株。

米国株式市場:

<金先物> 米追加利下げ観測などを背景に、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相 当)は前日比22.80ドル(0.52%)高の1オンス=4387.30ドル。中心限 月の清算値ベースで2日ぶりに史上最高値を更新した。週間では1.36%高となった。

NY貴金属:

<米原油先物> ベネズエラ産原油の供給混乱が警戒される中、持ち高調整目的の買いなどに支えられ、3営業日続伸した。この日納会を迎えた米国産標準油種WTIの中心限月1月物は 前日清算値(終値に相当)比0.51ドル(0.91%)高の1バレル=56.66ドル だった。週間では1.36%安。2月物は0.52ドル高の56.52ドル。

NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値,157.75/157.78 始値,157.3 高値,157.77 安値,156.95 ユーロ/ドル NY終値,1.1708/1.1711 始値,1.171 高値,1.1737 安値,1.1703 米東部時間 30年債(指標銘柄),17時05分,96*26.00,4.8272% 前営業日終値,97*07.50,4.8000% 10年債(指標銘柄),17時05分,98*25.50,4.1490% 前営業日終値,99*02.00,4.1160% 5年債(指標銘柄),17時05分,99*04.00,3.6950% 前営業日終値,99*09.00,3.6600% 2年債(指標銘柄),17時05分,99*25.38,3.4855% 前営業日終値,99*26.88,3.4600%  終値,前日比,% ダウ工業株30種,48134.89,+183.04,+0.38,(.DJI)  前営業日終値,47951.85 ナスダック総合,23307.62,+301.26,+1.31,(.IXIC)  前営業日終値,23006.36 S&P総合500種,6834.50,+59.74,+0.88,(.SPX)  前営業日終値,6774.76 COMEX金 2月限,4387.3,+22.8 前営業日終値,4364.5 COMEX銀 3月限,6748.9,+227.0 前営業日終値,6521.9 北海ブレント 2月限,60.47,+0.65 前営業日終値,59.82 米WTI先物 2月限,56.52,+0.52 前営業日終値,56.00 CRB商品指数,295.1037,+1.8984,(.TRCCRB) 前営業日終値,293.2053