終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で一時、9カ月半ぶりの高値を付けた。市場では、日本の財政姿勢を懸念する動きが見られている。
日銀の植田和男総裁は18日、高市早苗首相との会談を行った。植田総裁が早ければ来月にも利上げする可能性を示唆した一方、高市首相は日銀に対し、政府の景気刺激策に協力するよう求めた。
ドル/円は0.2%高の155.58円。一時、155.73円と、2月3日以来の高値を付けた。
一方、米雇用統計の発表を20日に控える中、労働市場の動向にも注目が集まっている。米クリーブランド連銀の集計から、10月の米企業による大規模レイオフ予告の件数は3万9000人と急増したことが分かった。また、米労働省が発表した10月18日までの週の失業保険の継続受給件数は8月初旬以来の高水準となった。
ストーンXのシニアテクニカルストラテジスト、マイケル・ブトロス氏は、「市場を見る限り、現時点で利下げを正当化する理由はない。自然失業率が何かについては議論の余地があるものの、インフレ率は何年も目標の2%を上回る水準で推移している」とし、インフレ対策が困難であるとの見方を示唆した。
CMEグループのフェドウォッチによると、短期金融市場が織り込む来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げ確率は約51%と、先週の約60%から低下している。
主要通貨に対するドル指数は0.02%高の99.55。前日までの4日続落から脱した。
一方、ユーロは0.07%安の1.1584ドル。スイスフランは対ドルで0.7990フランとなった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.50%高の9万3178.93ドル。イーサリアムは4.7%高の3148.57ドルとなった。
ドル/円 NY午後4時,155.52/155.54 始値,155.42 高値,155.73 安値,155.06 ユーロ/ドル NY午後4時,1.1580/1.1581 始値,1.1584 高値,1.1607 安値,1.1572