メキシコ中央銀行は18日の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2022年4月以来約3年8カ月ぶりの低水準となる7.00%に設定することを決めた。インフレ率が短期的に拡大するリスクが高まっているものの、26年末までに目標に戻ることへの確信を示した格好だ。
25bpの利下げ決定はアナリストの予想通りとなったものの、5人の理事の間で賛否が分かれた。うちヒース副総裁は、5回連続の金利据え置きに投票した。中銀が18日に示した先行きのガイダンスも小幅に変更され、「追加の基準金利調整のタイミングを検討する」との方針を示した。
キャピタル・エコノミクスのリアム・ピーチ氏はガイダンスについて「次回会合で利下げ休止の可能性を示唆しており、今後の金利動向はデータ次第となる」と指摘した。
ロイターのアナリスト調査では、26年早期に追加利下げをするか否かで見方が分かれた。回答者の半数は26年3月末までに1―2回の追加利下げを予想する一方、残る回答者は長期にわたって利下げを一時停止すると予測。パンテオン・マクロエコノミクスの中南米担当チーフエコノミスト、アンドレス・アバディア氏は26年早期の利下げ休止を予想し、「コアインフレ率が持続的に緩和し、通貨メキシコペソが安定を維持する場合にだけ再開される」との見方を示した。
メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)によると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.80%上昇し、伸び率が10月の3.57%から拡大。変動の大きい食品とエネルギー価格を除くコア指数の上昇率は4.43%と、10月の4.28%から拡大した。
それでも中銀は、総合インフレ率が26年第3・四半期までに目標の3%に戻ると見込んでいる。