ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで上昇した。円安が進めば政府・日銀が円買いの実弾介入に踏み切る可能性があるとの警戒感が高まっていることが円の下支えになった。一方、ユーロは対ドルで下落。米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が長期化すれ経済が影響を受けるとの懸念が重荷になっている。
終盤の取引で円は対ドル<JPY=>で0.42%高の159.63円。前週27日のニューヨーク時間の取引でドルは対円で2024年7月以来初めて160円台に乗せていた。
三村淳財務官は30日、足元で原油先物市場に加えて為替市場においても投機的な動きが高まっているとの声が聞かれるとし、こうした状況が続けば「そろそろ断固たる措置が必要になる」と発言。三村氏が「断固たる」というフレーズを使ったのは就任以降初めて。「あらゆる方面で対応するとすでに申し上げているが、我々の照準は全方位に向けている」とも述べた。
また、 植田和男日銀総裁は30日の衆院予算委員会で為替相場について「金融政策は為替相場を直接コントロールすることを目的としていない」とすると同時に、為替の変動が経済や物価に影響を及ぼす可能性があるとして、動向を注意深く見守る考えを示した。
イラン情勢を巡っては、トランプ米大統領がこの日、米国はイランに対する軍事攻撃の終結に向け、イランの「より穏健な政権」と協議を進めていると主張すると同時に、原油輸送の要衝ホルムズ海峡をイランが開放しなければイランの油田や発電施設を攻撃すると改めて警告。イランとの合意が得られず、ホルムズ海峡が解放されなければ、イランの発電施設や油田のほか、イランの原油輸出拠点であるペルシャ湾のカーグ島を攻撃する可能性があるとした。
これに先立ち、イラン外務省のバガイ報道官、米国から交渉の意向を示したメッセージを仲介者を通じて受け取ったとした上で「非現実的」と批判。イランの立場は明確で「軍事的侵略を受けており、われわれの努力と力はすべて自衛に集中している」と述べたほか、イラン議会が核拡散防止条約(NPT)からの脱退の可能性を検討しているとも表明していた。
こうした中、原油高でインフレが加速するとの懸念が拡大。ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのグローバル・マクロ戦略責任者、ノエル・ディクソン氏は「市場では経済成長への影響が意識され始めている」とし、英国と欧州連合(EU)が特にエネルギー価格の上昇に影響を受けやすいと見られていると述べた。
終盤の取引でユーロ/ドルは0.44%安の1.1457ドル。英ポンド/ドルは0.57%安の1.3181ドル。一時は1.3170ドルと、昨年11月26日以来の安値を付けた。
主要通貨に対するドル指数は0.22%高の100.53。一時100.61と、昨年5月19日以来の高値を付けた。
ドル/円 NY午後4時,159.69/159.70 始値,159.60 高値,159.71 安値,159.34 ユーロ/ドル NY午後4時,1.1459/1.1461 始値,1.1489 高値,1.1500 安値,1.1444