ドル方向感欠く、「ヘッドライン相場」継続か=来週の外為市場 13-Jun 15:05

来週の外為市場でドル/円は、方向感を模索する展開となりそうだ。原油価格を一気に10ドル超押し上げた中東情勢はもちろん、米国と中国や日本の関税交渉の行方も予断を許さぬ状況で、事態の変化を伝えるニュース速報に逐一反応する「ヘッドライン相場」が続く見通しだ。

予想レンジはドルが141━146円、ユーロが1.13―1.17ドル。

13日に一時10%超急上昇した原油価格の行方に関心が集まっている。きっかけはイスラエルのイラン攻撃だが「石油輸出国機構(OPEC)が増産に舵を切る中で、相互関税による世界的な景気減速懸念も浮上し、原油価格は先安見通しが根強かった。そのタイミングで発生した中東リスクは久々の買い材料となったため、反応が大きくなったようだ」(日本総研副主任研究員の松田健太郎氏)という。

リスクオフムード一色となった外為市場では、ドルと円、スイスフランといった逃避通貨に買い圧力が強まった。だが、原油価格の高騰が長期化すれば、各国で景気減速やインフレ懸念が高まりやすくなるほか、資源輸入に依存する日本では再び貿易赤字が膨らみ、円安圧力が強まる可能性もある。影響は簡単に読み切れない。

トランプ米大統領の発言ひとつで情勢が大きく変化する関税交渉が、先行き不透明感となって市場の重しとなる構図も変わらない。日米中銀会合はともに政策金利を据え置く見通しだが、こうした悪環境下で金融政策を今後どう運営していくかの見定めがポイントとなる。「予想がつかないことが多く、足元のニュース一つずつに反応せざるを得ない」(トレイダーズ証券市場部長の井口喜雄氏)状況が続きそうだ。

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