今週の外為市場でドル/円は、方向感を探ると見込まれている。予想外の弱さとなった米7月雇用統計を受けて発射台は低下したが、米国の7月消費者物価指数(CPI、12日)が上振れるようなら160円方向が意識され得る。日米協調介入への警戒感はつきまとい、新規の材料を伴わなければ上値は追いにくいとの声もある。
予想レンジはドルが155―160円。ユーロは1.13―1.17ドル。
7月米雇用統計を経て、CMEのフェドウォッチによる9月の米利上げ確率は発表前の約55%から約45%に低下した。米長期金利の低下とともにドルは一時156円台に急落し、日米協調介入以降に抵抗線として意識された200日移動平均線を再び小幅に下回った。
もっとも、雇用の弱さは地方政府の教育分野に集中しており、政府部門を除く民間の雇用者数は3万人増で6月と同水準だった。ドルは売り一巡後、買い戻され、NY時間終盤は157円台後半だった。12月会合までの利上げ確率は8割弱で年内利上げの思惑はなお残っている上、原油価格が高止まりしており、ドルの支えとなっている。
米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長は物価動向次第で利上げを検討する構えでもあり、米国の物価指標が強含めば「ドル買い/円売り基調に戻る可能性もある」(上田東短フォレックスの阪井勇蔵・営業企画室室長)との声もある。
週初は158円付近を通る200日線を挟んだもみ合いが想定され、12日発表の米CPIで方向感を見極めることになりそうだ。200日線をしっかり上抜ける場合、次の上値めどとしては160円付近を通る100日線が意識されている。一方、下値めどとしては協調介入以降の安値155.20円が意識される。
日米当局による協調介入以降、けん制発言などの目立った情報発信が当局サイドから伝わっておらず、市場の介入警戒は徐々に和らぎつつある。ただ、「不意打ち介入」のリスクはつきまとう。12日の米CPIや13日の米7月生産者物価指数(PPI)の発表前後と、日本が祝日で商いが細りやすい11日に、円売りが強まるようなら介入警戒感が高まる可能性がある。
10日には日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30日─31日開催分)が発表される。市場では、日米での協調介入など円安抑制がテーマになる中で「書きぶりの面から、9月利上げを意識させるようなタカ派トーンの強まりがないか注意が必要」(国内証券のストラテジスト)との声もある。
※経済指標予測
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