米連邦準備理事会(FRB)は27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送った。市場は、パウエル議長の任期が満了する5月まで政策金利が据え置かれ、次の利下げは6月になる可能性を織り込んでいる。投資家はFRBがハト派スタンスを維持し、年後半に追加利下げして株式市場と経済を支援するよう期待している。
今回の据え置き決定は予想通りだった。「経済は好調だが、インフレ率が幾分高止まりしており、FRBが現状維持を決めたのは正しい判断だった」と資産運用サービス会社オリオンのティム・ホランド最高投資責任者は評価し、「パウエル議長の在任中に再び利下げがあったら驚きだ」と述べた。
据え置き決定後の市場の反応は限定的だった。野村の先進国市場担当チーフエコノミスト、デービッド・セイフ氏は「パウエル体制の会合があと2回あることが主な理由」とし、「パウエル氏はフォワードガイダンスを示したいと考えているが、その期限は明確に設定されている」と指摘した。
FRBは、雇用情勢の悪化を受け、昨年9月に利下げを再開し、続く10月、12月と0.25%ずつ利下げした。
パウエル氏は28日の会見で、雇用市場に「安定化の兆しが見られる」一方、インフレは「依然としてやや高い」と指摘した。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「パウエル議長の任期中に利下げするには、この状況が変化する必要がある」と述べた。
FOMC後のLSEGのデータでは、3月と4月の会合での利下げの確率は30%未満、6月は65%となっている。市場は12月までに約2回の利下げを織り込んでいる。
メットライフ・インベストメント・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、ドリュー・メイタス氏は、3月利下げもあり得ると指摘。「見通しは非常に明瞭だと、みんなやや楽観的になり過ぎているかもしれない」と述べ、今の環境は高利回り債券、その他リスクの高い戦略から転換するなど「資産の質を向上させる良い機会」だとした。
<次の議長で利下げ>
投資家が注目するのは「ポストパウエル」の政策がどの程度ハト派寄りになるかだ。現在、有力視されているのはウォラーFRB理事、ウォーシュ元FRB理事、米国家経済会議(NEC)のハセット委員長、資産運用会社ブラックロック幹部のリック・リーダー氏。ハセット氏については、トランプ氏が現職留任を望んでいるとも述べている。
グレンミードの投資戦略担当バイスプレジデント、マイケル・レイノルズ氏は「新議長の下でのFRBの政策がどのようなものになるか考え始めている」と述べた。同社は小型株をオーバーウエートにしているが、今年1─2回の追加利下げの可能性が「この見方を強める」のに役立つと語った。
クリアウォーター・アナリティクスの調査責任者マシュー・ベガリ氏は、利下げが新議長の裁量だけ決まるわけでないとの立場だ。「よりハト派なFRB議長が、投票権を持つ他のメンバーに影響を与えるのだろうか。議長は大きな影響力を持つが、彼らは経験豊富な一流の専門家だ」と指摘した。