ニューヨーク外為市場では、米国がイランに対する攻撃を一時停止したことを受け原油価格が下落したことなどを背景に、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して軟調に推移した。市場では週内に相次ぐ主要中央銀行の政策決定会合が注目されている。
終盤の取引でドル/円は0.1%安の163.74円。前週は一時163.98円まで上昇し、1986年11月以来、約40年ぶりのドル高・円安水準を付けていた。
ユーロ/ドルは一時0.4%上昇した後、上げ幅を縮小し、ほぼ横ばいの1.1371ドル。
米国とイランは2週間にわたり攻撃の応酬を続けてきたが、週末に攻撃を一時停止。外交的解決への期待が高まる中、この日の取引で原油先物は約8%下落した。
こうした中、ドル相場はやや軟調。調査・戦略会社マクロ・ハイブのリサーチャー、ベンジャミン・フォード氏は「ドル相場は下落したものの、米国債利回りの低下幅が他の国・地域より小さかったことを背景に、ドル相場はやや値を戻した」と指摘。市場では米連邦準備理事会(FRB)が28─29日の日程で開く連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。
5月に就任したウォーシュFRB議長が金融政策の先行きについてほとんど手掛かりを示しておらず、市場が織り込む今回のFOMCで0.25%ポイントの利上げが実施される確率は約33%。CMEフェドウォッチによると、確率は前週末時点の37%から低下したものの、1週間前と比べると約2倍の水準になっている。
ゴールドマン・サックスの米国担当チーフエコノミスト、デービッド・メリクル氏は「FRBはFOMC声明で、地政学的対立の再燃によるインフレ上振れリスクに言及する可能性がある」と予想。「ウォーシュ議長も記者会見で同様の見解を示す公算が高い」との見方を示した。
市場では、米経済の先行きを見極めようと、週内に発表される第2・四半期国内総生産(GDP)統計や、FRBがインフレ指標として重視するコア個人消費支出(PCE)価格指数などにも注目されている。
今週は日銀が30―31日に金融政策決定会合、イングランド銀行(英中央銀行)が30日に金融政策委員会を開くなど、主要中銀の決定会合が目白押し。両中銀ともインフレ動向に慎重な姿勢を維持した上で、金利据え置きを決定するとの見方が大勢になっている。
円相場が対ドルで先週付けた約40年ぶり安値圏にとどまる中、日銀は円安に歯止めをかけるため追加利上げの可能性を残すと見られている。ただ、政策当局者は利上げの時期やペースについては明確な指針を示さない公算が大きい。
マクロ・ハイブのフォード氏は「当局が介入に動くには、ドル相場が天井を打ったという明確な証拠が必要だ」とし、「政府・日銀が為替介入を実施するチャンスは過ぎ去ったように見える」と述べた。
英ポンド/ドルは0.1%安の1.3308ドル。
ドル/円 NY午後4時,163.73/163.75 始値,163.57 高値,163.79 安値,163.59 ユーロ/ドル NY午後4時,1.1369/1.1371 始値,1.1395 高値,1.1396 安値,1.1368