<為替> 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが2日続落した。米国とイランが攻撃の応酬を再開する一方、雇用関連データが安定した内容となったことを受け、投資家の関心は依然としてインフレ圧力に向いている。
前日は、トランプ米大統領がイランとの戦闘終結に向けた停戦の覚書は「終わった」と発言したことを受けてドルは約1週間ぶりの高値を付けたものの、その後下げに転じた。イランの革命防衛隊は9日、国営メディアを通して発表した声明で、ヨルダンにある米軍のアズラク基地を弾道ミサイル10発で攻撃したと明らかにした。
シルバー・ゴールド・ブルの外為・貴金属リスク管理ディレクター、エリック・ブレガー氏は、「混乱が広がっているのは間違いない」と指摘。その上で、「横ばいの値動きは、市場が『現実とは何か』を見極めようとしている結果と言えるかもしれないが、残念ながら、結局は次に発表されるニュース次第で相場は動くことになるだろう」との見方を示した
この日発表の経済指標では、週間新規失業保険申請件数が前週比2000件減となった。6月の雇用の伸びは大きく鈍化したものの、労働市場が依然として「低採用、低解雇」の状態にあることを示唆した。
CMEのフェドウォッチによると、市場が織り込む今月28─29日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利上げが実施される確率は前日の31%から26.2%に低下した。ただ、1週間前の18.2%からは上昇している。9月の会合での利上げ確率は61.7%と、前日の66.6%からは低下したものの、1週間前の54.1%からは上昇している。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが低下した。今週の国債の売り浴びせを受け、押し目買いが入った。ただ、米・イランの攻撃の応酬を背景とした警戒感から国債価格の上げ幅は限られた。
米財務省がこの日実施した220億ドルの30年債入札は好調な結果となり、米債買いは一段と進み、利回りはさらに低下した。BMOキャピタルによると、海外投資家を含む間接入札者の落札比率は2024年10月以来の高水準となった。最高落札利回りは5.058%と市場予想を下回った。
クレジットサイツの投資適格債・マクロ戦略責任者を務めるザカリー・グリフィス氏は「売り浴びせに若干の疲労感が見られ、明らかに利回りは10年債で4.50%、30年債で5%を若干上回った」と指摘。「われわれはこれらの水準を目安として、魅力的なエントリーポイントと捉えてきた。中東情勢の展開や連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を踏まえると、債券市場のリスクバランスは幾分双方向になっている」と述べた。
この日発表の経済指標では、週間新規失業保険申請件数は前週比2000件減の21万5000件となった。6月の雇用の伸びは大きく鈍化したものの、労働市場が依然として「低採用、低解雇」の状態にあることを示唆した。
これを受け、FRBが少なくとも今後数回の会合で政策金利を据え置く可能性が高いとの見方が強まった。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は主要3指数が上昇し、ナスダック総合が大幅高で取引を終えた。マイクロン・テクノロジー主導で半導体株が上昇し、米国とイランの攻撃再開で中東紛争が長期化しインフレを助長するとの懸念を相殺した。
イラン軍は9日、米軍による連日の攻撃への報復として、ペルシャ湾岸諸国の米軍施設を攻撃した。
マイクロン・テクノロジー(MU.O)は4.5%上昇。2035年にかけて米国で2500億ドル超を投資することを計画していると発表した。人工知能(AI)ブームによるメモリーチップの需要急増に対応し、これまでに発表している2000億ドルの投資計画を拡大する。
アプライド・マテリアルズ(AMAT.O)は3.2%高、サンディスク(SNDK.O)は7.6%高。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「これは依然としてAI主導の強気相場だ」とし、「一時的に物色が広がり始めていたが、それは原油価格と金利が安定していることが前提だ。今回の緊張再燃で強気相場のその部分に疑問符が付く」と述べた。
米国株式市場:
<金先物> 1%超上昇した。前日に1週間ぶりの安値を付けた反動で買いが優勢となった。投資家は引き続き中東情勢に注目している。
現物金は日本時間午前3時5分時点で1.3%高の1オンス=4130.58ドル。米金先物(8月限)の清算値は1.4%高の4140.80ドル。
ストーンXのシニアマーケットストラテジスト、ボブ・ハーバコーン氏は「短期的には米連邦準備理事会(FRB)の動向が金相場の主な材料」と指摘。FRBが利上げに慎重姿勢を示せば金や銀は上昇しやすく、利上げを示唆すれば両金属は圧迫される可能性があると述べた。
CMEフェドウォッチによると、9月の利上げ確率は約62%となっている。
NY貴金属:
<米原油先物> 米国時間の原油先物は約2%下落した。米国とイランの衝突でホルムズ海峡の全面的な再開が遅れ、供給制約が続いているものの、インフレ加速など経済面の懸念が世界の原油需要を圧迫するとの見方が広がった。
清算値は、北海ブレント先物が1.72ドル(2.2%)安の1バレル=76.30ドル。米WTI先物は1.44ドル(2.0%)安の72.08ドル。
イランの革命防衛隊は国営メディアを通して発表した声明で、ヨルダンにある米軍のアズラク基地を9日に弾道ミサイル10発で攻撃したと明らかにした。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値,162.37/162.40 始値,162.47 高値,162.50 安値,162.27 ユーロ/ドル NY終値,1.1428/1.1432 始値,1.1423 高値,1.1446 安値,1.1423 米東部時間 30年債(指標銘柄),17時05分,99*02.00,5.0608% 前営業日終値,99*00.50,5.0640% 10年債(指標銘柄),17時05分,98*20.00,4.5491% 前営業日終値,98*15.50,4.5670% 5年債(指標銘柄),17時05分,99*10.00,4.2797% 前営業日終値,99*05.75,4.3100% 2年債(指標銘柄),17時05分,99*29.00,4.1744% 前営業日終値,99*27.38,4.2010% 終値,前日比,% ダウ工業株30種,52487.41,+139.02,+0.27,(.DJI) 前営業日終値,52348.39 ナスダック総合,26206.89,+336.24,+1.30,(.IXIC) 前営業日終値,25870.65 S&P総合500種,7543.64,+60.93,+0.81,(.SPX) 前営業日終値,7482.71 COMEX金 8月限,4140.8,+58.4 前営業日終値,4082.4 COMEX銀 9月限,6074.8,+220.8 前営業日終値,5854.0 北海ブレント 9月限,76.30,‐1.72 前営業日終値,78.02 米WTI先物 8月限,72.08,‐1.44 前営業日終値,73.52 CRB商品指数,368.5117,+1.4973,(.TRCCRB) 前営業日終値,367.0144