ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇。米財務省による国債買い戻し規模拡大が長期債利回りの抑制に効果を発揮するかを市場が見極める中、ドルは一時の下げから持ち直した。
米財務省は19日、期間の長い名目利付債を対象とした流動性支援の買い入れオペについて、1回当たりの規模を20億ドルから少なくとも40億ドルに倍増すると発表した。これを受け、30年債利回りは約19年ぶりの高水準近辺から急低下。一方、米財政状況を巡る懸念がドル安につながるとの見方から、ドルは下落した。
ただ、CIBCキャピタル・マーケッツのサラ・イン最高為替ストラテジストは、国債利回りが20日の取引で再び上昇基調に転じたことに言及し、「ベセント米財務長官が市場を試しており、市場はそれに抵抗している」と指摘。「今後も同様の発表が行われる可能性は十分あるが、少なくとも現時点では市場は(その効果に)やや懐疑的な見方を示しているようだ」と述べた。
ベセント財務長官は20日、「買い戻しの規模を拡大するつもりだ」と述べ、「1回当たりの買い戻し額が40億ドルを超える可能性もある」と語った。さらに、「利回りは基調的なファンダメンタルズを反映していない」との認識を示した。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.06%高の98.89。
ユーロ/ドルは0.01%安の1.1676ドル。一時は1.171ドルまで上昇し、5月14日以来の高値を付けた。
円は対ドルで0.6%下落し、1ドル=159.12円。
また、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5%上昇し、6月1日以来の高値となる7万2524.54ドルを付けた。
多くの投資家は19日の国債買い戻し増額の発表に不意を突かれた。スコシアバンクのショーン・オズボーン主任FXストラテジストは、「少なくともタイミングの観点からは違和感があった」と指摘。「財政の持続可能性やFRBの政策運営への信認を巡る懸念の影響が債券市場に及ぶことを財務省が望まないのであれば、その負担はドルが引き受けることになると市場は判断している」と述べた。
市場では、ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長が月末にワイオミング州ジャクソンホールの年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)で行う講演にも注目が集まっている。
19日に公表された7月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨からは、インフレへの懸念が一段と強まり、「数人」の参加者が利上げを支持したほか、「多く」の参加者がインフレ率がFRBの目標である2%に低下しなければ利上げが必要になるとの認識を示していたことが分かった。
金融市場は現在、9月の利上げ確率を35%、12月までの利上げ確率を67%と織り込んでいる。
ドル/円 NY午後4時 159.10/159.14
始値 158.46
高値 159.18
安値 158.48
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1677/1.1679
始値 1.1696
高値 1.1698
安値 1.1670