衆院選、自民単独で300議席超か:識者はこうみる 08-Feb 20:16

第51回衆議院選挙は8日午後8時に投票が締め切られ、NHKや日本テレビといった日本の主要メディアは出口調査などをもとに、自民党の議席が単独で300議席を超える可能性があると速報した。

市場関係者に見方を聞いた。

◎市場や海外に配慮なければトリプル安

<野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏>

選挙結果は直前の予想とほぼ近かった。高市早苗首相の個人的人気にかなり依存した自民大勝だ。

しかし、高市首相の政策全体が強く支持されたわけではないと思う。民意も重要だが、金融市場や海外への配慮も必要。トランプ米政権は秋に中間選挙を控え、ドル高や日本から波及の金利上昇に神経質だ。高市政権は政策運営で完全にフリーハンドを得ているわけでない。

仮に積極財政に突き進めば、円安と債券安がいずれ株安につながりトリプル安、海外勢の日本離れにつながる。そうなる前に政策面での軌道修正が望ましい。

◎長期金利は早期に低下、為替も落ち着いた推移に

<野村アセットマネジメント シニアストラテジスト 鈴木皓太氏>

事前に与党優勢との報道があったとはいえ、圧勝したことは株式市場にポジティブなインパクトを与えよう。衆議院で3分の2以上を確保することにより、現在与党過半数割れの参議院で法案が否決されても、衆院での再議決を経て成立させることができる。政権基盤が大きく安定し、経済政策の推進期待が高まりやすいだろう。また、積極的に野党の協力を仰ぐ必要がなくなるため、ばらまき的な財政拡張圧力が生じにくい。金利・為替動向に配慮した政策運営になるとの期待から、日本の長期金利が早期に低下する局面があると予想している。いずれにせよ金利・為替ともに落ち着いた推移となるだろう。

◎自民は大盤振る舞い不要で財政健全化にはプラス

<法政大教授 河野有理氏(政治思想史)>

与党で3分の2をうかがう情勢で、高市早苗政権にとっては大きな力となる。 自民大勝で与党の規模が大きくなったため、財政・外交政策は党の力が大きくなる。また、少数与党でなくなり野党に大盤振る舞いする必要がなくなるうため、財政健全化にはプラス材料だ。

しかし、参院では少数与党の状況は変わらない。連立パートナーの日本維新の会の意向を汲む必要がある。自民・維新で合意している定数削減は自民党内に真の賛同者がどの程度いるのか微妙で、高市首相が自民党や与党内をどのようにグリップできるかが政権運営の焦点になりそうだ。

外交・安全保障関連でも、憲法改正の実際のハードルは非常に高い。安保3文書の改定、防衛増税を粛々と進めるだけではないかとみている。