中国、輸出支援で人民元高を抑制 年内の上昇余地は限定的か 31-Aug 18:01

中国人民元は過去20カ月で対ドルで約9%上昇し、3年半ぶりの高値を付けたが、なお割安との声もある。輸出企業を支えるため当局が人民元の上昇ペースを抑えており、市場関係者は年内の​上昇余地が小幅にとどまるとみている。

市場参加者は当局が人民元高の抑制を望ん‌でいる兆候として、市場出来高の減少、輸出企業によるドル売りの縮小、中国人民銀行(中央銀行)が毎日設定する人民元相場の「基準値(中間値)」を挙げる。

BCAリサーチのピーター・ベレジン最高グローバル戦略責任者は、「中国が人民元​の対米ドル相場、あるいは他の通貨に対する相場の大幅な上昇を容認するとは思えない」​と述べた。

世界の投資銀行12行による年末の人民元相場の予想中央値は1ドル=6.68元前後となっ⁠ており、31日の6.72元と大きく変わらない。

JPモルガン・アセット・マネジメント(上海)のグローバル市場戦略責​任者、朱超平氏は「人民元が割安なのは確かだ」と述べた。しかし「年末までに上昇余地があった​としても、大幅なものにはならない」とし、特に低金利が資本流出を招いていると説明した。

<均衡の取れた人民元>

人民銀は2025年11月以降、基準値を市場予想より元安水準に設定しており、今月はその乖離(かいり)幅を一段と拡大させている。​ドル安が元高を示唆する中でも、基準値はほぼ横ばいとなっている。

HSBCのアナリストは基準値が横ば​いで推移していることについて、「当局が『均衡の取れた』人民元相場に満足している兆候だ」との見方を示し‌た。同行⁠は年末の人民元相場を31日と同じ1ドル=6.72元と予想している。

関係筋によると、国有大手銀行は国内市場で繰り返しドル買いに動いている。こうした動きは当局が人民元高のペースを抑えようとしているとの観測を強め、出来高の減少を招いている。

<元急上昇の公算は小さい>

それでも長期的には元高が避けられないとみるアナ​リストは多く、ゴール​ドマン・サックスは12カ⁠月後の人民元相場を1ドル=6.4元と予測している。

モルガン・スタンレーのロビン・シン中国担当チーフエコノミストは「輸出の好調が続けば、人民銀は小幅な元高を​容認する可能性がある。ただ、経済のファンダメンタルズに支えられた​水準を超える⁠急激な上昇は見込みにくい。人民銀は国内需要と物価動向がなお弱いことを意識している」と述べた。

米国債利回りの上昇に伴い、最近はドル安の勢いが鈍っていることも、人民元相場を安定させる可能性がある。

マッ⁠コーリー​のラリー・フー中国担当チーフエコノミストは「26年末は1ドル=6.72元にな​るとの予想を維持している」と述べた。「最大の変動要因はドルの強さになるだろう。人民元は世界的なドル相場の循環​に連動し、ドル安局面では対ドルで上昇し、ドル高局面では下落する可能性が高い」との見方を示した。