利上げの是非、12月の決定会合で「適切に判断」=植田日銀総裁 01-Dec 09:42

日銀の植田和男総裁は1日、18―19日の金融政策決定会合で利上げの是非を「適切に判断したい」と述べた。政策調整に当たって、来年の春季労使交渉(春闘)に向けた「初動のモメンタム」が重要だと改めて指摘し、日銀の本支店を通じて、企業の賃上げ姿勢について精力的に情報収集していると説明した。

最近の米国経済や関税政策を巡る不確実性の低下を踏まえれば「経済・物価の中心的な見通しが実現していく確度は、少しずつ高まってきている」と語った。12月の決定会合では、内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を、様々なデータや情報をもとに点検・議論していくとした。

<主な発言は以下の通り>

-海外経済、各国の通商政策の影響で一部で弱めの動き見られるが総じてみれば緩やかに成長している

-関税政策の影響、これまでのところさほど顕在化していない

-経済・物価見通し実現していくとすれば、経済・物価の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ

-現在の実質金利、極めて低い水準

-米関税政策、先行きの不透明感は次第に薄れてきているように思う

-経済・物価の中心的な見通しが実現していく確度、少しずつ高まってきている

-春闘に向けた初動のモメンタム確認していくことが重要

-食料品価格の上昇、想定以上に長引く可能性

-12月の決定会合で利上げの是非、適切に判断していく

-政策金利を引き上げるといっても、緩和的な金融環境の中での調整

-12月会合に向け、本支店通じ企業の賃上げスタンスに関して精力的に情報収集している

-景気にブレーキかけるものではなく、安定した経済・物価の実現に向けて、アクセルをうまく緩めていくプロセスだと考える=政策金利の引き上げで

-為替の変動、基調的な物価上昇率に影響する可能性があることに留意が必要

-12月会合、経済・物価や市場動向をさまざまなデータや情報をもとに点検・議論

-遅すぎることもなく速すぎることもなく緩和度合いを適切に調整していくことは、経済を息の長い成長軌道に乗せるために必要

-基調的な物価上昇率、展望リポートの見通し期間後半には2%目標とおおむね整合的な水準で推移