日銀が18、19両日に開催する金融政策決定会合で、0.75%としている政策金利を据え置く可能性があることが分かった。昨年12月の利上げの影響見極めに加え、イラン情勢の緊迫化がどの程度続くのか不透明感が漂う。ただ、足元で為替円安が進行しているほか、日銀は中立金利までの利上げ姿勢を崩しておらず、決定会合までの曲折も予想される。
複数の関係筋が明らかにした。日銀はこれまで、経済や物価は1月の展望リポートで示した見通しに沿って推移し、基調的な物価上昇率も2%に向けて緩やかに上昇しているとみてきた。
2月26日付の読売新聞のインタビューでの植田和男総裁の発言は、市場で「3月や4月の利上げの可能性を否定しなかった」と受け止められ、為替が対ドルで円高に振れる場面もあった。
ただ、米国とイスラエルが開始したイランへの大規模攻撃が日本の経済・物価の先行きの不確実性を高めている。日銀では、中東情勢の緊迫した状態がどの程度長期化するかによって、経済・物価への影響は変化し得るが、現時点では見通しづらいとの声が出ている。原油先物の先高観の強まりは、東京都区部で節目の2%を割り込んだばかりのコアCPI(消費者物価指数)上昇率の押し上げ要因となり、予想インフレ率に影響する可能性がある一方、ガソリン価格が上昇すれば国民生活に直結する。
消費の下押し圧力は実質国内総生産(GDP)成長率にも飛び火しかねず、複数の政府関係者は「日銀は利上げがしにくくなった」と口をそろえる。政府内では、事態の長期化を懸念する声が強い。
日銀の氷見野良三副総裁は2日の記者会見で、利上げを継続していく方針に変化はないと述べた。日銀は中立金利までの緩やかな利上げを続ける姿勢そのものは崩しておらず、引き続き、適切な利上げのタイミングを探る構えだ。
為替をはじめとする今後の金融・資本市場の動向によっては、早期の利上げ判断に傾く可能性もある。